「自分に合った園探し」を保育士BOOKで。 保育士book

世界の潮流と日本の保育

2030年に向けて、世界は新しいモノサシで動き始めている!

10年先の未来、どんな環境でどんな仕事や働き方をしているのか予想するのは難しい今の時代。でも、悲観的になったり不安になる必要はありません。実はすでに「もっとより良い世界を創るにはどうしたらいいだろう?」と色々な国のリーダーが一緒に考える会議がありました。そこで決まった国際社会で取り組む共通の目標がSDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)です。※図1これは、子ども達の未来を考える時、重要なモノサシになります。この新しいモノサシをもとに、国や企業が様々な取り組みを始めています。

SDGsは「誰一人取り残されず活躍できる社会の実現」を掲げています。それは「問題はみんなで解決しよう!」という一人ひとりの在り方が大切になります。そんな時代の流れを受けて、世界中で保育・教育分野で変化が起きています。OECD(経済協力開発機構)※1が立ち上げたプロジェクト「エデュケーション2030」もその一つです。世界全体のあらゆる分野で変革の波が押し寄せることが予想される2030年。10年先を見据え、子ども達にどのような教育が必要なのかを考えていくものです。「エデュケーション2030」では、変化のスピードが早く、予測不能な時代に、より良く幸せに生き延びる為に必要な力を定義。『新たな価値を創造する力』『対立やジレンマを克服する力』『責任ある行動をとる力』を育むために、学び手や教え手のあるべき姿を提示しています。

※1 OECD(経済協力開発機構)欧米など先進国を中心とする30の加盟国で構成され、経済成長の促進、開発途上国への援助、世界貿易の拡大などを目指す国際機構。

世界の課題は今までの価値観では解決できない!
新しい枠組みとモノサシ考え、課題に取り組むことができる人材を育てることが大切!

  • ●持続可能(サスティナビリティ)な社会につながるか
  • ●世界の問題を、自分の問題として考えられるか
  • ●だれ一人置いてきぼりにせず取り組んでいるか
*1:・知識、思考、経験を獲得する心的能力・獲得した知識をもとに解釈し、考え、外挿する能力
*2:(a)一貫した思考・感情・行動のパターンに発現し、(b)フォーマルまたはインフォーマルな学習体験によって発達させることができ、(c)個人の一生を通じて社会経済的成果に重要な影響を与えるような個人の能力
参考文献*3:経済協力開発機構(OECD)[編著]ベネッセ教育総合研究所[企画・制作]無藤隆/秋田喜代美[監訳]荒牧美佐子/都村聞人/木村治生/高岡純子/真田美恵子/持田聖子[訳](2018)『社会情動的スキル 学びに向かう力』,pp52 図2.3.

保育士BOOKでは「世界の潮流と日本の保育」に加え、就活に役立つ情報をたくさん掲載しています。
送付は無料ですのでお気軽に申込みください♪

保育士BOOK資料請求はこちら

「教育」が担う役割は大きい!

OECD は「子どもたち(人間)は自分の人生や周りの世界を良くする意思と力を持っている」という考えに基づき、「Student Agency( 生徒エージェンシー)という新しい概念を打ち立てました。※図2
エージェンシーとは「自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく姿勢・意欲」のこと。それを持った人材を育てる教育を世界中の国が目指しています。

「大人が教える」時代は終わり⁉受動的から能動的な学へ。

これからの時代の先生はカリキュラムに書かれたことを教える人から、カリキュラムの実践者へと変わる必要があります。「より良い保育・幼児教育」のためには子どもたちや保護者、地域の人など、既存の垣根を超え、共創していく在り方が求められています。

先生に求められる役割も「教える人」から「創る人」へ。
主体的に考え、行動し、良い変化を起こしていく人がこれからの保育・幼児教育に求められている!

いろんな国の保育・幼児教育事情参照文献*4~*9

ノルウェー
  • 幼稚園・保育園が一体になった「こども園」がある。
  • 7つの領域で学びと人間形成を促している。
  • 子ども時代を「子ども自身の権利である人生の重要な一段階」と認識して、単に大人への準備期としてではなく、子どもたちが「いまここ(here and now)」を、豊かな子どもを時代を生きることを大切にしているのである。(*4 引用p61)
ニュージーランド
  • 幼保一元化によりすべての保育施設が教育省の管轄となった。保育施設の多様性を尊重しつつ、(中略)保育の質を維持・向上させることが課題とされた。(*4引用p240)
  • 国と保育施設が協議し練り上げたカリキュラムがあり、子供の発達と学びの分野が4つの原理と5つの領域が設定されている。
  • 質の向上のための教育、保育施設には外部評価が導入されている。
デンマーク
  • ・0~6歳の保育サービスへの公的支出額はOECD諸国のなかでも最高レベルである(対GDP比で1.4%、2013年)(*4 引用p103)
  • 知識の獲得よりも経験を通じた能力の獲得が重視されている。(*4 引用p104)
  • 保護者委員会の活動が活発で保育方針や予算にも意見を出したり、保育施設と緊密な連携で子どもたちを支援。
インド
  • 5歳以下の死亡率が高かったインドでは、こどもの生存保護、発達を保障する目的として保育施設の必要性が高まった。
  • NGOの積極的な働きを受け、乳幼児の保護を目的とする福祉政策から教育政策へ、そして人権保護政策へと変遷を遂げた。
  • 政府機関以外に私立学校が運営する多数の民間プログラムが存在しており、その実態はきわめて複雑!
オランダ
  • ・ユニセフの子ども幸福度調査で1 位
  • 育児施設を利用する場合、その費用を政府・雇用主・被雇用者が3 分の1ずつ負担している。
  • イエナプランやピラミッドメソッドなど子どもが『自分で選択して決断できる力を養うこと』を重視している。
シンガポール
  • シンガポール政府は就学前教育の重要性に注目し、猛烈な勢いで改革を進行させており、「教育は投資」と考える保護者も多い。
  • 現在では小学校入学時に99%の子どもは最低1年の就学前の保育・教育を受けている。
  • 保育従事者や保育の質を向上させるための仕組みがある。
カナダ
  • ・幼児教育と保育の内容は州ごとに異なるが、ほとんどが私的な非営利団体によって運営されている。(*4 引用p204)
  • 多民族国家なので、アイデンティティや多様性、先入観や偏見について学ぶ授業がある。
  • 子どもの興味や好きな事を、遊びを通して学ぶカリキュラムがある。
韓国
  • 韓国政府は「需要者中心のオーダーメイド式の幼児教育・保育サービスの提供」という政策理念の下に(中略)幼保統合カリキュラムをはじめとする幼保統合に関する政策を推進している。(*4 引用p297)
  • 幼稚園とオリニジップ(保育園)の一元化を目指しており、幼保統合の方向性が確立が課題となっている。

保育士BOOKでは「世界の潮流と日本の保育」に加え、就活に役立つ情報をたくさん掲載しています。
送付は無料ですのでお気軽に申込みください♪

保育士BOOK資料請求はこちら

日本の保育が目指す先

幼児教育施設として「保育園」と「認定こども園」も位置づけられた!

平成29年「幼稚園教諭要領」、「保育所保育指針」、「幼保連携型認定こども園・保育要領」の3法令が同時改定。保育園と幼稚園の垣根が取れ全ての幼児施設で保育と教育が実践されることになりました。また、今回の改定で幼児教育の基本的な部分や、幼児期に育むべき力がより明確になりました。これらは、5歳児完了までに完全にできるよう育てなくてはいけないという到達目標ではなく、「このような方向に向けて指導を進めましょう」という方向性であることを理解しておきましょう。

幼児期において育みたい資質・能力3つの柱と10の姿

3つの柱の円で例示される資格・能力は、5つの領域の「ねらい及び内容」及び「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」から主なものを取り出し便宜的に分けたもの

保育士BOOKでは「世界の潮流と日本の保育」に加え、就活に役立つ情報をたくさん掲載しています。
送付は無料ですのでお気軽に申込みください♪

保育士BOOK資料請求はこちら

幼児教育施設として「保育園」と「認定こども園」も位置づけられた!

平成29年「幼稚園教員要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」の3法令が同時に改定されました。これは、保育園も認定こども園も、日本の大切な幼児教育施設として位置づけられたことを意味します。また、今回の改定で幼児教育の基本的な部分や、幼児期に育むべき力がより明確になりました。これらは、5歳児完了までに完全にできるよう育てなくてはいけないという到達目標ではなく、「このような方向に向けて指導を進めましょう」という方向性であることを理解しておきましょう。

健 康

健康な心と体を育て,自ら健康で
安全な生活をつくり出す力を養う。
ねらい
  • 1

    明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。

  • 2

    自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。

  • 3

    健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付ける。

人間関係

他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人とかかわる力を養う。
ねらい
  • 1

    幼稚園生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。

  • 2

    身近な人と親しみ、かかわりを深め、愛情や信頼感をもつ。

  • 3

    社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。

環 境

周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもってかかわり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。
ねらい
  • 1

    身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。

  • 2

    身近な環境に自分からかかわり,発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。

  • 3

    身近な事象を見たり、考えたり,扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。

言 葉

経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し,相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て,言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。
ねらい
  • 1

    自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。

  • 2

    人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。

  • 3

    日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、先生や友達と心を通わせる。

表 現

感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする。
ねらい
  • 1

    いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。

  • 2

    感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。

  • 3

    生活の中でイメージを豊かに、様々な表現を楽しむ。

5領域の実践イメージ

参考文献:無藤隆・汐見稔幸(2017)学陽書房『イラストで読む!幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領 はやわかりBOOK』,pp40-41.
たとえば
領域「健康」の「ねらい(3)「(3)健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。」について考えてみましょう。

「遊んだ後は手を洗う」「食事の後はうがいをする」などのように、次に何をするのか見通しをもって自立的に行動するようになるということです。これは「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」の「(1)健康な心と体」「(2)自立心」に対応しています。

たとえば
領域「人間関係」の「ねらい(2)」 「(2)身近な人と親しみ、関わりを深め、工夫したり、協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ。」について考てみましょう。

ブロックを積んで基地作りをするというような遊びでの、「工夫したり、協力したり」という関わりです。友達と相談して作った結果「Aちゃんと一緒にやってみたらできた!とても楽しかった!」というような、具体的な相手と達成感を感じたりすることの積み重ねが他児に対する愛情や信頼感につながります。これは「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」の「(3)協同性」に対応しています。

まとめ
  • 日本が目指している保育・幼児教育や、保育園や幼稚園の役割を示しているのが3法令※
  • 指針をもとに保育を実践しているのが保育施設
  • 5つの領域を意図して保育を実践しよう!
※「幼稚園教員要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」
保育士BOOKの園紹介では「10の姿」で、園ごとの保育の特徴をカテゴライズしています。
詳しくは各園紹介ページをご覧ください。
園紹介一覧を見る

保育士BOOKでは「世界の潮流と日本の保育」に加え、就活に役立つ情報をたくさん掲載しています。
送付は無料ですのでお気軽に申込みください♪

保育士BOOK資料請求はこちら
参考文献*4:泉 千勢 (2017) ミネルヴァ書房『なぜ世界の幼児教育・保育を学ぶのか子どもの豊かな育ちを保障するために』,pp61,103-104,204,240,297.
*5:理橋玲子(2016)「シンガポールの幼児教育・保育(1):概況と背景」『同志社女子大学 学術研究年報』, 第 67 巻,2016(,最終閲覧日:2020年4月14日)リンク
*6:西川由比子(2018)「インドにおける教育水準の変遷過程―格差是正と普遍化の試み」『城西大学大学院研究年報』,31巻(最終閲覧日:2020年4月14日)リンク
*7:小原優貴「世界の幼児教育レポート【インド】インドにおける幼児教育・保育の現状(前編)」,「世界の幼児教育レポート【インド】インドにおける幼児教育・保育の現状(後編)」Welcome to CHILD RESEARCH NET,(最終閲覧日:2020年4月14日)リンク1リンク2 
*8:スゴいい保育 保育のいまの声と必要な未来を伝えるサイト,(最終閲覧日:2020年4月14日)リンク
*9:堀部(2017年6月16日)「シンガポールの早期教育事情~エリート育成から多様性重視へ~」一般財団法人自治体国際化協会 (クレア) シンガポール事務所,(最終閲覧日:2020年4月14日)リンク
無藤隆・汐見稔幸(2017)学陽書房『イラストで読む!幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領 はやわかりBOOK』.落合陽一(2019)SB クリエイティブ『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』.一般社団法人Think the Earth[編著]蟹江憲史[監修]ロビン西[マンガ] (2018)紀伊國屋書店『未来を変える目標 SDGs アイデアブック