幼児教育施設として「保育園」と「認定こども園」も位置づけられた!
平成29年「幼稚園教員要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」の3法令が同時に改定されました。これは、保育園も認定こども園も、日本の大切な幼児教育施設として位置づけられたことを意味します。また、今回の改定で幼児教育の基本的な部分や、幼児期に育むべき力がより明確になりました。これらは、5歳児完了までに完全にできるよう育てなくてはいけないという到達目標ではなく、「このような方向に向けて指導を進めましょう」という方向性であることを理解しておきましょう。
健 康
- 健康な心と体を育て,自ら健康で
安全な生活をつくり出す力を養う。
-
ねらい
1
明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。
2
自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。
3
健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付ける。
人間関係
- 他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人とかかわる力を養う。
-
ねらい
環 境
- 周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもってかかわり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。
-
ねらい
1
身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
2
身近な環境に自分からかかわり,発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。
3
身近な事象を見たり、考えたり,扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。
言 葉
- 経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し,相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て,言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。
-
ねらい
表 現
- 感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする。
-
ねらい
5領域の実践イメージ
参考文献:無藤隆・汐見稔幸(2017)学陽書房『イラストで読む!幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領 はやわかりBOOK』,pp40-41.
- たとえば
- 領域「健康」の「ねらい(3)「(3)健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。」について考えてみましょう。
「遊んだ後は手を洗う」「食事の後はうがいをする」などのように、次に何をするのか見通しをもって自立的に行動するようになるということです。これは「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」の「(1)健康な心と体」「(2)自立心」に対応しています。
- たとえば
- 領域「人間関係」の「ねらい(2)」
「(2)身近な人と親しみ、関わりを深め、工夫したり、協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ。」について考てみましょう。
ブロックを積んで基地作りをするというような遊びでの、「工夫したり、協力したり」という関わりです。友達と相談して作った結果「Aちゃんと一緒にやってみたらできた!とても楽しかった!」というような、具体的な相手と達成感を感じたりすることの積み重ねが他児に対する愛情や信頼感につながります。これは「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」の「(3)協同性」に対応しています。
- まとめ
-
- 日本が目指している保育・幼児教育や、保育園や幼稚園の役割を示しているのが3法令※
- 指針をもとに保育を実践しているのが保育施設
- 5つの領域を意図して保育を実践しよう!
※「幼稚園教員要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」
保育士BOOKの園紹介では「10の姿」で、園ごとの保育の特徴をカテゴライズしています。
詳しくは各園紹介ページをご覧ください。
園紹介一覧を見る