ジャーナル
2020.06.30保育園レポート
グローバルキッズAct清澄白河 すべての子どもたちの”笑顔”のために
発達が気になる子どもと保護者をサポート
地下鉄・清澄白河駅からほど近くに「グローバルキッズ Act 清澄白河」はあります。入り口では「Act(アクト)」の文字がお出迎え。できたばかりの施設だけあって内観はとてもきれいです。✨
広い施設ではなく、個別プログラムを行う小さめの個室が2つと、グループプログラムを行える大きめの部屋が1つあります。それぞれの部屋の1つの壁面にはマジックミラーが設置されていて、部屋の外からでも中の様子がわかるようになっています。👀
ここグローバルキッズ Act 清澄白河 は、小学校就学前の発達障がいをもつお子さんが通う「児童発達支援事業所」。子どもたちは、ふだんは保育園や幼稚園に通いながら、週に1回程度、保護者と一緒にこちらの施設を利用しています。定員10名に対し職員6名在籍と手厚く、1人ひとりの特性に応じた療育を行う環境が整えられています。
今回の訪問では、保育士の山口由紀さん(ご本人の希望により仮名としています)と、グローバルキッズ本部担当者の斎藤直之さんのお2人にお話を伺うことができました。山口さんは、児童発達支援管理責任者の資格をもっていて、施設全体をまとめる施設長にあたります。

ここを利用しているのは、言葉が出ないとか、話をしていても目線が合わない、名前を呼ばれても応えないといったことがあって、療育を必要としている子どもたちです。集団生活になじめないところがあるので、個別・集団・親子のプログラムを通して、日常生活に役立つ力をつけたり、お友だちとのかかわりが向上したりするような支援を行っています。保護者の多くは、『なんでうちの子は、ほかの子と同じようにできないんだろう』といった悩みを抱えていらっしゃるので、保護者サポートも大切な役割です
(山口さん)
「子どもの視点に立つ」をあらゆる活動のベースに
室内に入ると、シンプルで余計なものを置いていないように見えます。床にはなるべく物を置かず、気が散りやすいデザインを避けるようにしたり、サイズや文字・絵などを工夫したカードを用意したり、子どもが部屋に入る前に必ず参加者に合わせて環境を整えることも療育的視点の1つ。
グループ用の部屋の床には色の違うテープが貼ってあります。これがあると、「赤い線の上を走るよ」「青い線のところにイスの脚をそろえて置いて」と、具体的に説明することができてよいのだそうです。
1グループの人数は4人くらいまで。保育とは異なる点として各プログラムには療育の要素が求められますが、トレーニングではないので、そこにはいつも「楽しさ」があるように心がけているのだそうです。
グローバルキッズActでは、どんなことを大切にしているのでしょうか。

子ども1人ひとりの視点に立つことをベースにして、いかに子どもの気持ちに寄り添うかを大事にしています。☺️そのために、その子の言動がどこから来るのか、本人の気持ちになって考えること。私は、よく子どもの隣にしゃがんでその子と同じ景色を眺めてみます。同じ目線でものごとを見ると、ほんの少しだけでも、その子の心に近づけるような気がするんです
(山口さん)
すべての子どもたちの未来への願い
ところで、グローバルキッズは、160以上の施設を運営する保育事業者大手として知られています。療育施設を立ち上げたのは、どうしてでしょうか?

事業がスタートし、実際に施設ができてきてメンバーに加わったのが、ベテランの山口さん。療育経験は8年ほどです。最初は一般企業でしたが、”自分探し”の期間を経て、保育の学校に。
山口さんの人生を変えたのは、その頃に参加した保護者のレスパイトケアを行うボランティアで出会った1人の自閉症児でした。人見知りをするお子さんと聞いていたのに、会ったとたん、まるで『行こうよ』と言っているみたいに、なぜか山口さんの手を引いてくれて??。🤝
そのことがすごく不思議で、そこから障害児施設に興味をもち始めたのだそう。「その時に灯った『どうして?』の答えをいまだに探し続けているのかもしれません」と山口さん。
Actでは、今後も順次、施設数を増やす計画があり、質のいい療育スタッフがたくさん必要となるでしょう。
児童発達支援事業所のスタッフは、管理者、児童発達支援管理責任者と、保育士または児童指導員です。そのほか、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などを機能訓練担当職員として採用することもあります。なお、児童指導員は任用資格なので、学歴・経験などの条件を満たしているか、幼稚園・小・中・高の教員免許などの必要資格を有していれば、試験を受けることなく児童指導員となることができます。


と語る山口さん。子どもたちの笑顔のために、保育と療育の連携も、より重要なものとなりそうです。
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