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ジャーナル

2023.08.24インタビュー

社会福祉法人川崎立正福祉会 理事長 小林 慈瑛さんインタビュー『副園長から園長へ。』

「園長として園の運営に関わることになったとき、保育方針から保育の実践までもう一度見直していきたいと考えたわけです。そのときご縁があったのが、新宿せいが子ども園の藤森先生。とある研修の講師だったんですね。お名前は知っていんですが、お話を聞いてみるといちいち腑に落ちるお話で。『取り組みたい保育はこれだ』と感じ、実際に見学へ。そして現場を見て子どもたちの自由な姿、遊びの幅の広さ、そして笑顔。やっぱりこれだと確信したわけです。」

「子どもたちが自分自身でやりたいことを選んでいる園」

「新宿せいが子ども園では、子どもたちが『やりたいことをやる。遊びこなしている』ことを体感しました。うちの園でもこれを実践したい。そのように考えましたが、職員の理解から保護者の理解をつかむまで時間がかかりましたね。まずは『まねるからまなぶ』ということで藤森イズムの実践を徹底しました。見学に行った際にたくさんの写真も撮らせていただき、職員も現場研修で受け入れていただき、徹底して実践しました。今も続くブログも活用し、子どもたちの活動に目を凝らし、耳をすませながらPDCAを実践していったんですね。」

保育以外の分野の知識や経験、情報が活きる

「『見守る保育』を実践していくことは様々な分野の知識や経験、情報やエビデンスを取り入れていくことにもなります。少子化など社会の変化により子どもたちを取り巻く環境も変化するので、その環境に応じながら保育環境を設定していく必要があるわけです。職員理解も進み、保護者理解も進む中、保育園の運営も安定してきました。保護者さんのほうからうちの園の考え方や取り組みを理解して、お子さんを園に預けたい、というお話も出てきました。」

なぜ、園の運営に携わろうと?

「うちはお寺が母体の園です。お坊さんとして、困っている人、自分自身ではどうしようもない人のお役に立ちたい、ケアをしたいという想いがありました。保育園の運営に関わることで子どもたちの支援だけでなく、親御さんにもさまざまな課題や問題があり、ケアが必要な方がおられることに気づきました。保育園運営を軸にしながらも困った方々のお役に立つことができる。このように考え、園の運営にも私なりの想いを持って関わらせていただいています。」

環境の変化は子どもたちの変化につながる!?

「子どもたちの発達に応じて、適切な環境を設定することで『子どもたちが環境にはたらきかけること』ができるようになります。ここが大事なんです。大人が子どもたちに何かをさせるのではなく、子どもたちが他者との相互関係や環境への働きかけを行うことで自ら活動し・経験や知識や情報を獲得していく。そのためには保育者が子どもたちの発達の状況を理解し、適切な環境を提供しないといけない。よく観察し、よく学び、子どもたち一人ひとりに関わりながら保育環境を整えていく。この上で、子どもたちは力強く成長していきます。」

発達の見える化も大事!?

「うちは見守る保育で活用している児童票も取り入れています。子どもたちの発達を俗人的な評価だけでなく、チェックシートを活用して客観的に見える化していく。例えばおもらしをする子どもは特定の筋肉の発達が進んでない場合があり、その場合、運動を取り入れて筋肉の発達を促せばいい。子どもたちの状況をしっかり客観的に見ていけば、発達に必要な環境設定は必ずあるはずなんです。保育士が迷わなくていいように客観的な視点も取り入れて、みんなで学びながら子どもたちのために保育環境の向上を続けていけば、子どもたちにとっても職員にとってもよりよい環境になっていくと思います。」

園選びは『園の理念を理解し、同じ方向性が向けるかどうかを見ていくこと』が大事

「学生の皆さんには『自分の価値観と園の価値観や方針が合うかどうか』を見ていただくことをお勧めします。例えばうちの保育については実際のエピソードや関わり方をオープンにブログで発信しています。こういった情報を見ながら、自分自身の保育観の気づきにしてただけると尚嬉しいですね。うちの園の場合、運動でも音楽でもなんでもよいのでより遊び・より体験している方が合うかもしれませんね。ま、何よりやってみないとわからないので、見学でも体験でも来ていただき、一緒に保育を楽しんでほしいですね。」

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