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保育士ジャーナル

2020年01月23日

”幸せな就職”をしよう 入学した時からの学びはすべて「就活」になる

東北福祉大学(TFU)で開催された「TFU保育キャリアデザインセミナー2020 in WINTER」のレポートです。TFUの学生が引き継いできたミシュラン・プロジェクトは、実際に保育・幼児教育の現場を訪れて”保育の質”を評価し、保育・幼児教育分野の専門家を目指す学生に向けて独自の【就活ガイドライン】を提示したことで知られています。保育・幼児教育業界で注目が高まるTFU保育者養成課程の今冬のセミナーは「就活」が主テーマ。養成校の中でも先進的なTFUの学生たちの就活とは。

保育者養成校の学生たちによる就活セミナー


今回は、東北福祉大学(宮城県仙台市)において開催された「TFU保育キャリアデザインセミナー2020 in WINTER」の様子をレポートします!✨

1月11日に開催された本セミナーは、5時間という長丁場。主催は、東北福祉大学(以下、TFU)の保育士・幼稚園課程の学生たちです。
場所はTFUの校舎の1つ、国見キャンパスで行われました。仙台駅から電車を乗り継いで「東北福祉大学前駅」で下車すると…「さ、寒っ🥶」。暖冬とはいえ、コートは手放せません! 溶け残った雪❄️がチラホラと道の端っこを白くしていました。

会場に着くと、学生たちが司会、案内、設営といった役割をそれぞれテキパキと進めていました。土曜日の開催にも関わらず、学生たちが続々と入って来ます。🚶‍♀️その他、首都圏・中部・九州などから来訪した卒業生や保育園・幼稚園の園長先生など、たくさんの業界関係者で大教室はいっぱいになりました。

TFU保育士・幼稚園課程では、学生(約500名在籍)・教員・卒業生・保育・幼児教育の業界関係者などが集まる研究会・講演会・シンポジウムを定期的に開催しています。その中で今回は、4年生の卒業を前に1〜3年生へ向けた就活(準備)セミナーの意味が込められたもの。

といっても、単なる就活セミナーにはとどまりません。「保育の質に迫る学びと就活」を主題として、これまでの学生生活の中で”あるべき保育の姿”を探求してきた4年生を中心に、研究成果を含めた「就職活動を通じて得た学び」を共有する場として展開されました。

セミナーの構成は、ざっとこんな流れです。

 1.4年生による就活レクチャー1「園長のリーダーシップ論」
 2.就職内定者4人それぞれの「就活ストーリー」の紹介&シンポジウム
 3.4年生による就活レクチャー2「保育就職合同説明会ガイドライン」
 4.来賓を迎えてのパネルディスカッション

最後の閉会式でも、保育教諭や幼稚園教諭、施設保育士として現場で働いている卒業生の話を聞いたり、学外から講評を寄せてもらうなど、盛りだくさんの充実した内容でした。

合同説明会には危険がいっぱい?!


リーダーシップ論では、就活時には保育園・幼稚園などの現場を組織として見る視点をもつことを提案しています。面白かったのは、学生の視点から実際に出会った園長をタイプ分けして紹介していたところ。
コミュニケーション豊富な「お母さんタイプ」、情熱あふれる「肝っ玉母ちゃんタイプ」、人の意見を吸い上げる「ダイソンタイプ」という3つのタイプの園長のもとでは、やりがいや誇りをもって、いきいきと保育にあたることができていると分析しています。


近年では、「リーダーがトップダウンで指示を出し、他の者がそれに従う」というピラミッド型のリーダーシップではなく、「協同的で関係性の上に成り立ち、相互に影響し合う」という階層のないモデル「分散型協同的リーダーシップ」が注目されているとのこと。
いまのリーダーには、状況に合わせて多様な人がリーダーシップをとれるようにして「人に任せて見守る」という了見の広さが求められているのかもしれません。

また、就職合同説明会(合説)について、「学生を騙してでも確保しようとする事業者もいるので要注意」と、タイプ別にアヤシイ事業者の見分け方と対処法を紹介。最近は、合説でブラック保育園に騙された学生が現場で挫折・幻滅し、二度と保育界に戻って来ないという悲劇が起こっているのだとか。
4年生が卒業式前日まで【TFU保育就職合同説明会参加ガイドライン】をブラッシュアップし、最終的に保育士・幼稚園課程の全学生に配信するとのこと。これまでミシュラン・プロジェクトで作成・配布してきた【就活ガイドライン】に加え、学生の必須アイテムとなりそうです。

このほか、就活レクチャーでは「保育を学ぶこと」=「就活」という話が印象的でした。理論・実践を学ぶことで自分に合った場所を見つける視点が養われ、それが一人ひとりの価値観に合った”幸せな就職”につながりますし、一方で、アクティブに就活をしていく中で保育の学びがより深まる、ということもあるのですね。

笑いと涙がいっぱいのリアルな就活ストーリー



シンポジウムで行われたプレゼンテーションは、4名の就職内定者による自分の就活ストーリーの紹介。せっかく見つけた理想の園で「うちは今年、求人ないのよ」と言われて落ち込んだり、23園を訪問しても相性のいい園が見つからなかったり…。そんな学生たちのリアルな体験談に引き込まれました。
それぞれ個性的な就活ストーリーでしたが、壁にぶつかっても、気持ちを切り替えてめげずに活動を続けていく中で、ひょんなことから気づきがあったり良い縁につながったりして”幸せな就職”に導かれた、といったところが共通点かもしれません。


教育学部教育学科4年生の伊藤葵さんは、岩手県北上市の出身。入学したての1年生のころは、地元を離れて仙台にあるTFUに入学したことでホームシックになり「帰りたい…」と考えたこともありました。

就職活動を進める中で「この人の園で働きたい」と思える園長先生に出会い、なんと運営している法人ではなく、先生に直接「一緒に働かせてください」と履歴書を渡してアプローチしたそうです。
その先生は4月から園長として新規園に異動になるとのこと。実家には帰らず憧れの先生と一緒に働くことを選んだ伊藤さんは、宮城県石巻市にあるその園で保育者としてのキャリアをスタートさせることになりました。


ところで、TFU保育士・幼稚園課程の特長の1つとして、インプットするだけではなく「ダイアローグ(対話)しながらアウトプットするための機会を設ける」ようにしています。
今回のセミナーでも、就活ストーリーの紹介に引き続いてシンポジウムが行われました。同様に、TFUと関わりのある園長先生たちを迎えて行ったパネルディスカッションでは、当日のプログラムの内容や会場からの質問について討議され、一方通行の説明会とは一線を画すものでした。


また、登壇した4年生からはそれぞれ後輩へのメッセージやアドバイス、教員への感謝が伝えられるなど、500名の学生が所属しているとは思えないアットホームな雰囲気も感じられました。

唯一残念だったのは、開催時間がオーバーしたからか、閉会式でTFU保育士・幼稚園課程主任の和田明人教授による総括が聞けなかったこと。学生たちから「パパライオン」と愛情込めて呼ばれている和田教授は、ギリギリまで学生に任せる了見をもった、まさに新しいリーダーシップのお手本かもしれません。

どのように活動が展開され、引き継がれていくのか、今後も動向が楽しみです。

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